京都に本拠地を持つ自転車ブランド「VIGORE」をご存知でしょうか。京都の自転車フレームビルダーとしてGAN WELL(岩井商会)と並んで全国にも多くのファンを持つ自転車ブランドです。ロードバイクを筆頭に独自のコンセプトで作られる自転車はストレートにいってカッコ良いです。そんな自転車ブランドであるVIGOREのクロモリロードバイクを実際に購入した経験のあるQ太郎の視点でVIGOREの自転車について語ります。
まずはVIGORE公式サイトはこのリンクからご覧ください。
どうでしょうか?個人的にはロードバイクでお世話になったのでロードバイクについての発言になってしまいますが、最新の高性能カーボンロードバイクにしか眼中にない人には魅力がいまいち伝わらないかもしれません。でもシブくて道具感を感じる物が好きな人には、このVIGOREというブランドの自転車はドンピシャなのではないかと思います。
ただ、スポーツ自転車の初心者が購入しようと考えたなら完成車じゃないというだけで心理的なハードルが上がってしまうのもわかります。しかし要所を押さえれば何ら問題なく「マイ・ファースト・バイク」にすることができますし、むしろ初心者でロングライドがしたい人にはこのクロモリバイクは打ってつけであり一押しモデルと言えるでしょう。VIGOREに興味がある方は安心して以下の記事を読んでみて欲しいです。
VIGOREロードバイクCrMoレーサーとは
VIGOREはその前身になる片岡自転車が京都に存在したことから始まります。聞いた話では戦前からスポーツ自転車を扱っていたそうです。(そういうスポーツ系の自転車を購入しようというユーザーが京都には当時からいたんですね。)現在の店主である片岡さんはこの店の3代目にあたりオリジナルブランドVIGOREのフレームビルダーとして活躍されています。現在の商品ラインナップとしてはロードバイク、MTBが有名です。
VIGOREというブランドは古くからフレームビルダーとして有名でユーザーも大切に乗ってこられた方が多く、VIGOREのかなり古いフレームがレストアで入庫してくることもあるほど。イメージとしてはライカのカメラやビンテージの時計などのような感じかな?と思う時もあります。しかしそれでいて決して高い訳ではなくリーズナブルな自転車が揃っていてバイクコンセプトとも相まって初心者でも「VIGOREに乗る」という高揚感を感じることができるブランドです。
そんなVIGOREが提供するCrMoレーサーは、フレームから順を追って各パーツを組み合わせていくことができるセミオーダーシステムを導入しています。そのためユーザーの理想形を文字通り形にすることができる楽しさを持ったモデルです。フレームはクロモリで構成されています。また好きなカラーを選択することができるため今年のモデルでは好きな色ないな・・・というような完成車あるあるは起きません。
セミオーダーシステム
上記の通りVIGOREのクロモリロードバイクCrMoレーサーの購入時の楽しさはフレームからステム、ハンドルなどいろいろなパーツがサイズ違いや形違いでいくつも揃っていてそれを選択していくセミオーダーシステムの部分です。自身の体格に合うパーツを自身の希望のスタイルに合わせつつプロの目線でぴったりなものを選んでくれます。つまり自分の中で「VIGOREのロードバイクがカッコ良く見えるにはどうしたらいいか?」などの理想の部分だけを考えてパーツを選択していけば完成します。
「自分なりのかっこいいロードバイクのイメージ」を持ってればOK
先ほども言ったようにVIGOREのロードバイクを購入するのであれば「どんな見た目のロードバイクにしたいのか?」や「どんなシーンで使いたいか?」など自分なりにイメージを持つ事ができていれば後はVIGORE店主さんに身を任せてしまえば的確なアドバイスがもらえて「マイVIGORE」をゲットできてしまいます。とにかく自分はこんなロードバイクが好きだ!(欲しい!)があればOKなのです。
「でも、そんなにロードバイクのスタイルを知らない・・・」という人はとにかく京都にあるVIGORE店に出向いて店内にあるいろいろなロードバイクを見てみて欲しいです。それ以外にも過去の完成車の写真を見せてもらうこともできるので、ご自分が納得出来るまでとことん付き合ってもらって決めていけばいいでしょう。
購入前のQ太郎はロードバイク初心者
かく言う私がVIGOREを購入する前の状態がどんなだったかというとロードバイク経験は兄からのお下がりロードバイクを中学生の頃に乗っていただけであり文字通りロードバイク初心者でした。
ラグのないクロモリフレームが魅力
ブツとしての良さについてですがクロモリフレームというと現代ではクラシックなフレームとして認知されていると思いますがVIGOREは必ずしもそうではありません。その理由は接合部分にラグパーツが付いていないラグレスのクロモリフレームだからと言えるでしょう。
とにかくスマートで現代的なのです。特にフロントフォークはモダンな形状でクロモリフレームと言ってもアルミやカーボンフレームのようなテイストのスタイル(ハイトの高いカーボンホイールを履かせてみるとか)もとても似合います。だからクラシッククロモリロードバイクなら見た目として厳しいかも知れないようなレーシーなクリートを装着しても見た目としてまったく許容できてしまいます。
TIG溶接で軽量フレーム
溶接の方法で言えばTIG溶接です。この溶接方法はバーナーで炙るわけではないのでパイプに熱を与える範囲が少なく変質のリスクが少ないそうです。さらにラグを装備したフレームであればラグ内にロウが充填されるためどうしても重くなりがちですが、このフレームはラグレスであるがゆえにクロモリバイクとしては車両重量も軽くコンポやホイールを選べば8キロ台も狙えます。この溶接方法は上記のようなメリットもありながら比較的低コストで制作が可能なのだそうでそう言った部分も全体のリーズナブルさに貢献しているのだろうな思います。
楽しい悩みポイントのカラー選択
そんな実はモダンなフレームデザインのVIGOREのフレームのカラーは自分で決めることが可能です。この部分が個人的には最も楽しい時間帯でした。カラー見本が何種類も存在していますし代表的なカラーは完成車の写真も存在しますから確認することもできます。
また独自にカラーを選んでも構いませんからお気に入りの一台に仕立てることができます。Q太郎の場合は幸いDICのカラーチップを持っていたのでかなり微妙な違いまでイメージして決めて伝えることができました。カラーは互いの齟齬が発生しやすい分野ですが、カラーチップがあればそのような間違いも発生せずに制作ができるので、準備していくといいでしょう。
写真荒くてすみません・・・。
コンポ装備
コンポは中にはカンパで組む方もいらっしゃるそうですがベーシックに組むのであればシマノ・ティアグラあたりが良いのではと考えます。シマノ、スラム、カンパ、どのコンポでも対応してくださいます。私はシマノ105のフルコンポで組んでもらいました。
余裕を持った注文を
これまで解説してきたようにフレームに好きな色を選んでみたり、様々なパーツを選択していくことで唯一無二のマイバイクを制作してもらうので、納車には一般的な完成車の納車期間よりも多めに必要です。そのためもしも春の気持ちいい時期に乗りたい!と考えていたのにすぐに手に入らなかったというようなことが起きないように逆算して余裕を持った注文を行うようにしてください。
乗車インプレッション
その後、長く愛用してきてのインプレッションを最後に記しておきます。
最初の頃は事実上初めてのロードバイクだったので当初は細かなことはわかりませんでしたが、とにかく乗り心地がいいバイクだと感じました。上記にも書いた通りクロモリとしては比較的軽量なフレームの性能も相まってロングライドをするならこの乗り心地は大きなアドバンテージでありVIGOREの魅力の一つと言えます。一日中本当に快適に過ごせますよ。
特にタイヤの空気圧を高めにセットしてコツコツと路面の凹凸を感じるような状態でもフレームがうまく衝撃を吸収してくれるのでダンピングが効いたスポーツカーのようにいい感触を味わえます。
ロードバイクの中でよりレーシーな感触を味わいたい人にとってはカーボンやアルミバイクの方が良いのは当然です。そのペダルとダイレクトに直結しているような瞬発力を味わえるアルミバイクの面白さはこのVIGOREにはありません。
それでもこの乗り心地は、アルミバイクにはない捨てがたい魅力です。