初心者の為のHOW TOページ

クラシックMTBを街乗りMTB化!フレームの塗装にチャレンジ!

2022年2月18日

昔買ったMTB。倉庫に眠っていませんか?工作大好きな人ならこんないい素材持ってて活用しないなんてもったいないですよ!カスタム素材として街乗りに特化した自分だけの一台を制作してみませんか?きっと大切な一台に変身してくれることでしょう。そこでQ太郎がかつて行ったMTBの街乗り専用にカスタマイズした時の詳細レポートを再編集して投稿する衝撃の内容の後編です。
前編はこちら

ハンドルの交換

もともとハンドルを換える最大の理由は乗車姿勢をアップライトにしたい!でした。その理由は街乗りで楽な姿勢にしたいことと視界が広がることを狙っていました。そこで少し上方向へ迫り上がった形状のハンドルに交換しました。この際にステムの交換も検討していました。というのもフレームの塗装を検討していたためにメッキパーツへの交換が必要だったからです。そこで以下のような作業が必要になります。

1.ヘッドパーツが「ノーマル」であること
2.アヘッド用ステムを取り付けて見た目を現代化したい
3.ライザーバー取り付け
4.ライン一式交換

・・・が主な必要な部分です。

そこで問題になるのがカンティブレーキ。センタープル式なのでブレーキレバーからワイヤーが繋がっているだけではダメなのです。つまりブレーキの真上から引っ張るようにセッティングしないといけないのです。それが僕のGTではレバーから来るワイヤーはステムの中を通ることで真上から引っ張るようになっていました。

このステムを交換するとなると従来のパーツであればステムが兼用していた機能を新しい金具で補ってあげる必要があります。さらにノーマルヘッド のため、軸にあたる部分の構造が違うのでノーマルヘッドをアヘッドタイプに変換するパーツも用意した上で、センタープルへの対応金具も必要でした。こういう金具がそもそもあるのかどうかもわからないので自転車屋で探してもらいましたら、ちゃんと存在するのですね。注文して取り付けてもらいました。下記の写真がその状態を示しています。センターから真上に引っ張るようにするための金具です。

この金具とアヘッド変換パーツも含めて設置することができたおかげで無事にライザーバーハンドルへ交換ができました。見た目はさほどでもないように見えますが乗車姿勢としてはオリジナルからかなりアップしました。計測していないのでなんとも言えませんが、4〜5センチはアップしたのではないでしょうか。これで随分と街が見渡せるようになり安全性が上がったと思います。

ステムについてもう少しお話しすると、このステムへの交換に際してはノーマルヘッドの形式であるため現在主流のアヘッド式のステムは選択できなくなるところでしたが、ノーマルヘッドに追加の棒を取り付けることでアヘッド式のステムを取り付けることができるようになりました。機能としての意味合いはありませんが、現在のハンドル周りの形式に見えるようになりました。

この段階での試乗インプレッション

ハンドルが上がったことで視界がかなり広がりました。街中ではこの数センチの違いが命に関わるかもしれないのでよかったと思います。ただほんの少しだけハンドル幅を拡大しました。そのおかげでオリジナルのポジションよりもかなり変化した印象を与えます。
ハンドル幅が広がったことで小さな入力にもキビキビとした動きができるようになりました。街中を走るには非常に反応が良くていいです。このようにポジションが変わっただけですが新しいバイクに乗っているような感覚があり総評としてこうなってほしいと思う事がまずは達成できていたので合格です。

車体色の検討

塗装について考えます。
・どんな手順で作業をするか?
・どこのスペースで作業をするか?
・バラバラになっている間の代車をどうするか?
・何色にするか・・・?

塗装する

ここでついにフレームの塗装に進みます。

塗装面を作る


機械的な部分の交換は概ね完成したのでいよいよフレームの塗装です。塗装するには一般的に無垢の状態にまで塗料を剥がす作業が必要になります。具体的にいうと剥離剤を利用することで塗料を溶かしてしまいます。ところが、今回は剥離剤は使わず、耐水ペーパーで軽く塗料を取るだけにしました。その理由は上から突きつける塗料は熱処理は行わないので飛び石などで剥げることが考えられます。そのためサビ防止に元の塗料の助けを借りようということで今回の処置に相成りました。とはいえ元の塗料はしずくが飛び散ったようなデザインで塗料がデコボコと凹凸があります。無地のカラーにするとこのデコボコは目立つに違いありませんから面イチになるようにペーパーで磨きました。さらにシートポストの根本付近の複雑な形状がスプレー塗料が入るのか意識して作業を行う必要がありますね。緊張します。

プラサフを吹き付ける

まずはプラスフを吹いてフレームを一色にします。僕はヘッドレンチやBBを外す工具を持っていないのでマスキングで対処します。そして地面において裏表ひっくり返してスプレーしました。特に吹き残しもなく意外とキレイに仕上がりました。

ただ、プラサフのような塗料ならこのような乾いてから裏返すような方法もできますが最終的にウレタン塗装を行う予定です。その場合は一気に塗料を吹き付けたいので吊るす場所を探さなくてはいけません。

カラーを吹き付ける

今回カラーを塗るにあたって自動車用カラーを利用することにしました。かなり前の車種ですが日産マーチにかつて存在したキウイグリーンを使いたかったのです。ホームセンターに行けば自動車用塗料があるから見つかるだろうと考えたのです。(この作業を行なっていた当時はまだ普通に見かけたカラーでした。)ところがキウイグリーンは市販のスプレーには存在しないカラーだったのです!
そこで見つけたのが、ソフト99に存在するオーダーメイドカラースプレー。ラインナップされていないカラーをお店で作ってくれるというものです。それで今回はキウイグリーンを注文して特注スプレーの完成。

フロントフォークはホンダのTYPE-Rシリーズに使われたクリーム系のホワイトを使用。フレームはその後1週間、寝かされた後に新しいロゴシールを貼りました。このシールは友人がPCデータからカッティングシートで切り出してくれました。本当に感謝です。

GTロゴ自作

gtステッカー
その後、2液混合のウレタンクリアをスプレーしました。このウレタンスプレーを吹く際にはこのような台にセットして塗装しました。これでまるで新車のような輝きのフレームが完成しました。

パーツを再度組み付ける

このカラーを想定してメッキパーツを増やしていたのですが、印象が良くて安心しました。どんどん組み付けていきます。ペダルは車体色がグリーンなので金色のペダルが欲しかったのですが、予算オーバーなペダルしか見つからなかったために黄色のペダルを採用しました。


ちなみにタイヤは、TIOGA Cityslcker 26X1.25(新車時は26X2.0のブロックタイヤ装着)です。見た目の迫力は不足気味かもしれませんがこのタイヤがなかなかいい案配で走るんです。細いタイヤもMTBには合いますね。

木製自転車用キャリア

さらにこのような木製のキャリアを装着しました。装着した主な理由としては街で乗る場合は、雨に打たれる可能性もありフェンダーが必要だと考えていましたが、一般的なMTB用のフェンダーは個人的には見た目として納得できないものですから、フェンダー代わりにこの木製キャリアを装着した次第です。グリーンの車体にマッチしていると思いませんか?

ここまで完成してくるとグリップやらサドルやらの雰囲気がどうしてもあってない気になってきました。そこでグリップをグランコンプの木製のものに変更しました。キャリアとグリップが木製で雰囲気がありますよ!ここのブランドは結構おもしろいパーツを出すことがあるのですが今回は木製です。快適性で言えば木製はないかもしれませんが、市内での行動半径はせいぜい10キロ圏内でしょうから、特に問題にはなりません。

ここで一旦総括

そもそもの発端は、サイクリング用に使用していたMTBを街乗り用にカスタマイズすることができる環境になったことです。Q太郎のライフスタイルとして仕事の取引先への移動や主要な遊び場への移動は、そのほとんどが自転車で済むところでした。そこでこのMTBが街乗りで利用できるようになるのはすごくうれしかったんです。計画書を作成した後は、それに向けて必要なカスタムを先に行い、フレームの塗装はラストにすることでフレームの塗装を保護することができました。

このカスタムを行ったのは実は約10年前(2009年ごろ)にまで遡ります。この段階で新車当時から数えて20年ほど経過していたのでパーツの選択肢などいくつか制限がありましたが、一つも合うサイズがないというようなことはありませんでした。その辺りが自転車のカスタムを行う上では面白い部分なのではないかと思います。またネットでパーツを探して自分で組み付けるというのが自転車ライフに新しい楽しさを与えてくれました。

交換できると信じて購入したパーツが合わずに買い直したことも実はありました。そのおかげでパーツに対する知識も増えました。また、それが単純な知識ではなく実感として裏付けを持つようになり、自分の自転車ワールドが広がり始めたのがなによりうれしいです。今回のMTBはある意味モルモット役でしたが、しっかりメンテナンスができていれば大丈夫なフレームだということも分かりましたし、さらに愛着が増して文字通り一生モノになってきたように思います。

このカスタムからさらに10年近くが経過してリアキャリアはさらに大型化しています。タイヤやブレーキキャリパーなどの消耗品はもちろんのこと、ペダルやサドル、そしてグリップなどもどんどん交換していまだ現役で活躍してくれています。

最後にカスタム完成直後のエピソードをお伝えして終わりにしたいと思います。三十三間堂までポタリングした帰りに自転車屋さんでパーツを購入して駐輪場へ戻ってきた時に女性の自転車を購入するつもりできた様子のカップルの女性の方が店の自転車では納得がいかなかった様子で「この自転車みたいのやったらカワイイわ!」とQ太郎の自転車を指さして大きい声で話されたんです!自分のカスタマイズが成功しているのかなと思えた瞬間でした。やはり他人の思いがけない一言は、また違ったうれしさがありますね。

  • この記事を書いた人

Q太郎

こんにちは。京都在住のQ太郎です。中学生の時にお下がりのロードバイクをフレームにまでバラバラにして全塗装したり新たにパーツを買い替えてお気に入りの一台に仕立てたのが最初のカスタムでした。その後MTBやミニベロなどあらゆる自転車を購入してはカスタムをして・・・を繰り返してきました。近年は学生時代に購入したクロモリMTBをカスタムして現在進行形で楽しんでいます。

-初心者の為のHOW TOページ